論理的思考力と論理的な議論




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【論理的思考力と議論】

【上級者の実戦を観察する】

【心理と対話】

【その他】


私は、あなたがあなたの欲求を満足させる権利を尊重しますし、
同時に、私自身についてのその権利も尊重します。
だから、私たち双方に受け入れられる解決策を
いつも探すことにしましょう。
あなたの欲求は満たされ、私の欲求もまた満たされるでしょう。
どちらも負けません。両方が勝つのです。

-「人間関係についての信条」より-


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勝ち負けのない聞き方・話し方-サブメニュー


◆「返事の私メッセージ」で上手に断る。

「返事のわたしメッセージ」は、相手からの誘いや頼みごとを断る時に使うわたしメッセージです。「返事のわたしメッセージ」は次の二部構成で成り立っています。

1.断る意思。
   
2.理由。

・断る意思について。
相手からの依頼を断る意思を明確に表現しましょう。外的な条件のせいにして「やりたいけどできない」といった断り方をしてはいけません。そうすると、相手は外的な条件を取り払う提案をしてくるので、余計に断りにくくなります

(『人間関係を育てるものの言い方 』より。)
例1.
「主人がダメって言うので。」
「それでは、私からご主人にお話しましょうか。」
例2.
「とんでもない、力不足ですから。」
「いえ、あなたに力不足と言われては、他にできる人なんかありませんよ。」


ほら、詰んだ(笑)。

明確に断るには、次のような表現を使います。
「私はやりたくありません。」
「お断りします。」
「私は入らないことにしました。」
「買わないことにします。」
「行かないことにするね。」

では事例を見てみましょう。 (『人間関係を育てるものの言い方 』より。)

Tさんの家は個人商店です。パンの卸売業者のNさんが、パンの注文と一緒に他のギフト商品をかなりしつこく斡旋してきます。
 「奥さん、ギフト用カタログのどれか一つでも注文して下さいませんかね。」
 「いやあ、仕入れるのは無理ですよ他のギフト商品がたくさんありますから。」
 「そこを何とか、一つでいいですから、お願いします、奥さん、必ずすぐ売れますよ。<防御>」
 「どれか一つでもいいから、仕入れてほしいみたいですね。<繰り返し>」
 「そうなんです、私にもノルマがありまして、助けてください。<防御>」
 「Nさん、ノルマがあって大変なんですね。<気持ちをくむ> でも、うちだって在庫がたくさんあるときにまた仕入れると、陳列場所にも困るし、支払いも多くなるのでやはり仕入れないことにします。」
 「そうですか・・・・・・わかりました。また、お願いします。」


相手が防御に転じたら「能動的な聞き方」に切り替えるパターンは同じです。

◆嫌なことでも我慢して引き受けてしまう<ひっこみ型>の人は、なぜ「いいえ」と言えないのでしょうか? その理由をリンダ・アダムスは次のように分析しています。

1.驚き―突然の申し出なので、充分に自分の気持ちを確かめられないでいる。にもかかわらず、、つい「はい」と答えてしまう。
「ええ、まあ、いいわ・・・・・・。何とかなるでしょう。」
「えっ、明日!? じゃ、何とかしましょう。」
2.喜ばせたい―相手に気に入られたい。喜ぶ顔が見たい。
3.認められたい―みんなに喜んでもらいたい。
4.人を傷つけたくない―断ったら傷つくんじゃないかな。
5.罰や損を恐れる―あの人はもう私を許さなくなるわ。
6.後ろめたさ―今度から招かれなくなると嫌だから。私がワガママなのかしら。断ったら、今後どうおつきあいできるかわからない。
7.権威への服従―あの人の言うことの方が私より正しいかもしれない。相手は上司だから、言う通りにしておこう。
8.お返し―私もいつかそうしてほしいときがくるかもしれないし、お互い様という事で、仕方が無いわ。
9.社会通念に従う―協力することが大切。世間の人がどう思うかわからないし。
10.相手の身になる―私だって、こんなときは承知してほしいから。気持ちがよく分かるから。
11.義務感―親としての義務だから。家族の一員なのだから。
12.犠牲的精神―私さえ我慢すれば、みんながうまくいくんですもの。波風を立たせないためには、私が引き受ければいいのよね。
13.権力志向―偉くなるチャンスだわ。断れば私に能力が無いからだと思われるから。

これらの背景には、「いいえ」と言わなければ相手に好かれるという前提が存在します。自分の気持ちを抑え続けていると、次第に欲求不満がつのり、相手に対して「譲ってあげた」という恩着せがましい気持ちや、「人の気も知らないで」という恨みがましい気持ちになってしまいます


<ひっこみ型>の特徴を持つ人でも、「返事のわたしメッセージ」を使えば、これまでより断るのが楽になるでしょう。


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