序章 論理的思考のメリット

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◇よく見る掲示板荒らしについての考察。

掲示板荒らしについて、よく考えてみましょう。

まず荒らしの動機ですが、私の見解によると、荒らしは直感的には他人の主張が間違っている事を確信しながらも、自分の考えを論理的に表現できないために、相手の主張に納得できないままやり込められた怒りと悔しさが発端となって、暴力的な手段に出るようです。つまり荒らしは自分が社会正義であると信じているのです。

ゆえに、荒らしは論理思考力や表現力の未熟な未成年に多いと推測できます。彼らに自分の考えを表現するためのツールである論理を教えなかった日本の教育制度にも問題があると思っています。

以前、私が参加していた掲示板にも荒らしが出没したことがありました。皆さんは「ここがヘンだよ日本人」というテレビ番組をご存知でしょうか? 外国人ゲストをスタジオに招いて、国内の問題をテーマに討論をする番組です。

その掲示板は、番組で採り上げられたテーマについて視聴者が議論をするために立ち上げられたものです。

ある日番組で、「いじめ」がテーマにあがりました。すると翌日、掲示板には、「いじめは虐められる側に問題がある」という主張が書き込まれました。それからしばらくして突然、掲示板に荒らしが現れました。

荒らしは空白の書き込みを数日に渡って投稿し続け、掲示板の正常な運営を妨げました。掲示板の常連達は荒らしを猛烈に批判しましたが、ご想像に難くないように、火に油を注ぐばかりでした。

掲示板の管理人がなんとか荒らし氏と話し合い、荒らし行為に及んだ理由をよくよく聞いてみると、なんと荒らし氏は17歳の高校生で、今まさに学校で虐められてるというのです。

そんなとき、掲示板の常連が「いじめは虐められる側に問題がある」とコメントして、あまつさえ大勢がその意見に賛同したため、怒りが爆発してしまったという事なのです。

しかし、もし荒らし氏にこの時「いじめは虐められる側に問題がある」という主張が間違っていることを、論理的に反論して証明するだけの論理思考力が備わっていたとしたら、おそらく荒らし氏は、荒らし行為ではなく、議論をして自分の考えを証明する方法を選択したでしょう。

なぜなら、暴力で相手を黙らせても、相手の考え方までは変えることができないのですから。一方で、論理的に説得すれば相手の考え方まで変えることができるのです。

◇近頃のコメント欄炎上についての考察。


さて、近頃は掲示板の運営を妨げることを目的とするいわゆる荒らしがなりを潜めて、代わりに詭弁と強弁と物量にものを言わせて論破するタイプの“炎上”が台頭してきました。

両者の相違点は、荒らしが議論を放棄して物理的な力でコミュニティを閉鎖に追いやるのに対して、炎上はコミュニティを閉鎖させるのではなく、議論で自分達側の正しさを証明することを目標にするということです。相手がブログなどを閉鎖した場合はそれを敗北宣言と見なして収束するようです。

両者の共通点は、自分が社会正義だと信じていることです。ただし、炎上は多数派を形成しているためにその認識が一層強まります。

なぜ炎上が荒らしにとって代わったのかというと、私の見解ですが、
1.単独の荒らしならわりと簡単にブロックできるシステムが普及したため。
2.荒らしはダサイ、荒らしは反論できないから荒らすのだという共通認識ができたため。
3.特定の思想的傾向をもつ個人が掲示板などを通してネット上で結束しやすくなったため。多数派を形成して物量で押せるようになった。

さて、炎上の問題点は詭弁と強弁が横行してさらに物量も圧倒的なため、いちいち指摘できないという点にあります。しかしながら、詭弁、強弁に関する知識が普及して、詭弁、強弁を使う奴はダサイという共通認識ができればその点は解決に向かうでしょう。

論理的でない主張は、論理的な人の同意を得られません。

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目次
◇ 考えを表現する能力は、考えの中身そのものと同じくらいに重要
◇ 「小説」の書き方と、「論じる文章」の書き方は異なる
◇ 文学中心の国語教育とはどういったものか?
◇ 論理的な会話の例
◇ 三段階の議論力
◇ 論理的思考のメリット
◇ よく見る掲示板荒らしについての考察


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