論理的思考力と論理的な議論




当サイトが最も参考にさせて頂いている
小野田博一先生の新刊が出版されます!
『話す・聞く・考える 「論理力の基本」トレーニングブック』
7月31日発売。予約受付中!


【論理的思考力と議論】

【上級者の実戦を観察する】

【心理と対話】

【その他】



第二章 論理的な反論の仕方―サブメニュー

【論理的思考法の基礎知識】

【前提の正しさを疑う反論】(論証型の反論)

【新たな前提を加える反論】(主張型の反論) 

【推論の形式(前提と結論のつながり方)を疑う反論】

【メンタルの管理】 


演繹法(えんえきほう)とは?

論理の組み立て方(前提と結論のつなげ方)の一つである「演繹法」は、物事を考えるさいに、最初の前提から次の前提を導き、それを繰り返して、最終的に必然的な結論を導く方法です。要するに、厳密に論理的に考えて結論を出す方法だといえます。演繹法は反論の基礎になるのでしっかり覚えましょう。

例) 犬はみな生き物である。生き物はみな死ぬ。したがって、犬はみな死ぬ

この例文は次の論理構造をしています。
前提1.犬はみな生き物である。
前提2.生き物はみな死ぬ。
前提1と2ゆえ.犬はみな死ぬ。...(結論)

前提1と前提2をつなげて結論を導くことができました。これが演繹法です。

問題、次の結論を演繹的に導きましょう。
(ただし前提は全て真実であると仮定してください)

前提1.犬はみな生き物である。
前提2.生き物はみな死ぬ。
前提3.死んだものはみな天国へ行く。
前提1と2ゆえ.犬はみな死ぬ。...(とする)
前提Aと3ゆえ.犬はみな天国へ行く)...(結論)
答えはマウスでドラッグ

前提1と前提2をつなげて前提Aを導き、さらに前提3と前提Aをつなげて結論を導くことができました。このように、前提と前提をつなげて次の前提を導きながら、最終的に結論を導く方法が演繹法です。

この前提と前提の“つながり方”が正しければ、演繹法は正しい結論をみちびくことができます。(つながり方が誤っている例については後で説明します)

ところで読者のなかには前提3の「死ぬとみな天国へ行く」は真実ではないと考える方がいらっしゃると思いますが、今は“つながり方”の正しさを説明するのが目的なので、前提そのものが誤りである可能性については今は問題にせず、後で説明します。

ここまでは具体的な例を用いて解説しましたが、次は『単語』を単純な『記号』に置き換えて考えてみましょう。

【問題】
前提1.AならばBである。
前提2.BならばCである。
前提3.CならばDである。
前提4.DならばEである。
前提1と2ゆえ.(AならばCである)...(X)
前提3と4ゆえ.(CならばEである)...(Y)
前提XとYゆえ.(AならばEである)...(結論)

記号にどんな単語を当てはめてみても前提1~4が真実である限りは、前提X・Y・結論も真実です。


帰納法(きのうほう)とは?

帰納法とは、複数の事例から結論を推測する方法です。

例) 犬Aは死んだ。犬Bは死んだ。犬Cは死んだ。したがって、犬Dも死ぬだろう。

帰納法とは演繹法のように厳密に前提を追っていく方法とは違い、仮説を立てて、それを検証して、実際に観測された複数の実例をもとに結論を導く方法です。帰納法はデータの量が多いほど確度が上がります。

たとえば、はじめに「犬は死ぬ」という仮説を立て、次に本当に犬が死ぬかどうかを検証します。たくさんの犬を観察して、犬Aも犬Bも犬Cも死んだという実例(データ)を採取します。その結果として、「すべての犬は死ぬ」という一般化された結論を得ることができます。

実例の数は100よりも1000、1000よりも1万と、多ければ多いほど強固な根拠になります。ただし例え今まで100%の確率で同じ現象が観測されたとしても、次の観測で初めて違う現象が起きるかもしれません。

もし一匹でも不老不死の犬という例外が現れた場合、「すべての犬は死ぬ」という結論は否定され、代わりに「ほとんどの犬は死ぬ」というある程度確かな結論が残されます。

みんな!オラにちっとつ元気を分けてくれ!Tweet

関連サイト
演繹 - Wikipedia
帰納 - Wikipedia
妥当性 - Wikipedia



第二章 論理的な反論の仕方―サブメニュー

【論理的思考法の基礎知識】

【前提の正しさを疑う反論】(論証型の反論)

【新たな前提を加える反論】(主張型の反論) 

【推論の形式(前提と結論のつながり方)を疑う反論】

【メンタルの管理】 



※ブックマーク登録よろしくお願いします!
トップページ→論理的思考力と議論

inserted by FC2 system