論理的思考力と論理的な議論

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第二章 論理的な反論の仕方―サブメニュー

【論理的思考法の基礎知識】

【前提の正しさを疑う反論】(論証型の反論)

【新たな前提を加える反論】(主張型の反論) 

【推論の形式(前提と結論のつながり方)を疑う反論】

【メンタルの管理】 


論理の飛躍&自己矛盾

最終更新日:2016.1.6

論理の飛躍

この記事は逆・裏・対偶を読んでいる前提で書いています。ここから先、「AはB」という書き方をしている場合、それは「すべてのAはBである」という意味です。


逆は必ずしも真ならず!
後件肯定の虚偽!!


『AはB、したがってBはA!』

これは「AはB」の意を「AのみがBである」と誤解しているケースです。
Aを「女」に、Bを「人間」に置き換えるとわかります。

「女は人間である。したがって人間であるなら女であると言える」

女のみが人間であるとは限りません、男も人間です。
なんださっきのやつじゃん

「カラスは鳥である。したがってすべての鳥はカラスである」


むかしびと 「人は対象についてよく知らないときに恐怖を感じる。つまり臆病者は無知なんだよ!」

(無知のみが恐怖の原因だと思っている)

いい人 「成功した人はみんな苦労していた。だから苦労した人にはその後必ず良いことがあるんだよ」


熱血マン 「夢を叶えた人はみんな諦めなかった。だから諦めなければ夢は叶う!」


いい人 「愛に飢えれば犯罪者になる。つまり犯罪者になる人は愛情に飢えてたんだよ」


共和党マン 「民主党は国民皆保険制度を導入しようとしている!でも共産主義にも国民皆保険制度がある!だから国民皆保険制度は共産主義だ!」


次は反論が変な例

動物好きマン 「頭の良い動物を殺してはいけない」
動物嫌いマン 「じゃあ殺しちゃいけない動物はみんな頭いいんだな?(A) ペットは殺せないけど頭悪いのもいるだろ!はい論破!」

Aの解釈が飛躍なのでその後の反論が的外れです。


人格批判のエースだ!
媒概念不周延の虚偽!!

『AはC、BはC。したがってBはA』

「AはC」を「AのみがC」と誤解しているケースです。

「女は人間、男は人間。したがって男は女だ!」

女のみが人間であるとは限りません。

自己顕示マン 「頭の良い人はよく本を読む。私もよく本を読む。だから私は頭が良い」


根性マン 「甘やかされた奴は他人のせいにする。お前も他人のせいにしている。つまりお前は甘やかされたんだよ!」


もてもてマン 「モテない人は恋愛に価値がないと言う。お前も恋愛に価値がないと言っている、つまりお前はモテないだけなんだよ!」


心理学かじり虫 「認知バイアスにかかってる奴は間違いを認めない。お前も間違いを認めない。つまりお前は認知バイアスにかかってるんだ!」


認定マン 「サイコパスは結婚期間が短い。お前もすぐに離婚したな。つまりお前はサイコパスなんだよ!」


フリーメーソンマン 「統合失調症患者は集団ストーカー被害を訴えるという特徴を持つ。お前も集団ストーカー被害を訴えている。つまりお前は統合失調症だ!」


話聞かないマン 「図星を突かれるとムキになって反論する。お前はムキになって反論してる。つまりお前は図星を突かれている」



裏は必ずしも真ならず!
前件否定の虚偽!!


『AはB。AでないからBではない』

「AはB」を「AのみがB」と誤解しているケースです。
Aを「女」に、Bを「人間」に置き換えるとわかります。

『女は人間である。女でないから人間ではない』

女のみが人間とは限りません。なんだ裏のやつか

いい人 「愛に飢えれば犯罪者になる。つまり愛情をかければ犯罪者にならない」


次のは反論がおかしい例です。

名前なし夫 「反論される覚悟がないならウソをつくな」
名前なし子 「反論される覚悟があるならウソをついてもいいんだな?(A) なわけねーだろ、はい論破!」

Aの解釈が飛躍なのでその後の反論が的外れです。

熱血教師マン 「反撃される覚悟が無いならイジメなんてやるな」
ヤンキーマン 「なら俺は反撃される覚悟あるからイジメるよ、いいんだよな?」


動物好きマン 「頭の良い動物を殺してはいけない」
動物嫌いマン 「頭悪い動物なら殺していいのか? それだとお前も殺していいことになるんだけどそれは」

嫌いマンの解釈が飛躍です。


反例なんか忘れたぜ!
不当大名辞!!


『BはC、AはBでない。したがってAはCでない!』

「BはC」を「BのみがCである」と誤解しているケースです。
Bを「女」に、Cを「人間」に、Aを「男」に置き換えればわかります。

『女は人間、男は女ではない。したがって男は人間ではない』

女のみが人間とは限りません。

??? 「動物に冷たい者は人間にも冷たい。シーシェパードは動物に優しい。したがってシーシェパードは人間にも優しい」


将来予想するマン 「愛情をかけられた者は犯罪者にならない。お前は愛情をかけられなかった。ゆえにお前は犯罪者になる」


優越マン 「論理思考ができるならバカでない。お前は論理思考ができない。よってお前はバカだ」



即関連付けるぜ!
不当小名辞!!


『AはBかつCである。したがってBはCである!』

これは「AはB」を「AのみがB」と誤解しているケースです。
Aを「太郎」、Bを「男」、Cを「日本人」に置き換えるとわかります。

「太郎は男かつ日本人である。ということは男はみんな日本人だ」


「塾は勉強をする所だ、そして授業料も必要だ。したがって勉強をするためには授業料が必要だ」

なんと皆さん当サイトは無料であります!

「暴力は悪である。また力でもある。ゆえに力は悪である」

共感力とか警察力とか学力とか何か反例ありそう。

ぎゅうにゅうきらいマン 「北欧人は骨折率が高い、それに牛乳をよく飲む。したがって牛乳をよく飲む人は骨折率が高い」

道凍ってんじゃねえの。

父さんマン 「北欧諸国は人口の割にノーベル賞受賞者が多い、それに魚をよく食べる。だから頭いい人は魚よく食べるんだぞ知ってたか!?」

ちげーよ骨折すればいんだよ。


数が増えたぜ!
4個概念の虚偽!!


「AはBかつCである。DはBである。したがってDはCである」

わかりやすい例

「女は人間でありかつ出産できる。男は人間である。したがって男は出産できる」







タバコ吸うマン 「ヒトラーは独裁者で禁煙論者でもある。だから禁煙論者は独裁者である。ところでお前は禁煙論者だから独裁者だな」

禁煙論者を色んなものに変えると誰でも独裁者になれるぞ、やってみよう!

ジャスティスフェミニスト 「人身売買は人間の品評会であり、かつ人権侵害である。美人コンテストも人間の品評会である。したがって美人コンテストは人権侵害である」



いつから一方のみだと錯覚
していた? 選言肯定!!


『AまたはBである。ところでAだからBではない』

これは「AもBも正しい可能性がある」を「常にAかBの一方のみが正しい」と錯覚しているケースです。

「人間は肉または魚を食べる。ところで肉を食べるから魚は食べない」

普通はどっちも食べる。

「アメリカには白人または黒人がいる。ところで白人がいるから黒人はいない」

どっちもいる。


「『自演乙』はオタクかスポーツマンである。『自演乙』はオタクである。ゆえに『自演乙』はスポーツマンではない」

隠れた前提 「オタクがスポーツマンのわけない」
スポーツマンでオタクでもいいじゃん。

白鳥カトリーヌ 『なぜお父様はわたくしに門限を強制なさるのでしょう?』
セバスチャン 『強制ではございません。旦那様はただお嬢様の心配をなさっているだけでございます』

隠れた前提 「心配しているならば強制はしていない」
心配で強制してるのかもしれない。

しゃべり場マン 「困ってる人を助ける人は賞賛されたいだけだ。本心から同情していない」

隠れた前提 「賞賛されたがる人は同情していない」
本当だろうか、本心から同情していて賞賛もされたいのかもしれない。

ジャスティスマッチョ 「社会保障を叫んでる奴らはもうそろそろ諦めて努力しろよ」

隠れた前提 「政治的主張と自助努力は同時にはできない」
決め付けは良くない、良くないよ。

A「犯罪が多いのはなぜだ!?」
B「警官が少ないからだ!」
C「違う、失業率が高いからだ!」
D「そうじゃない!道徳教育が不十分だったからだ!」

犯人によって原因が違うかもしれない。また全ての原因が合わさって犯罪につながったのかもしれない。


途中で定義変えやがった!
媒概念曖昧の虚偽!!


「お前は政府の犬だな、
ところで犬は嗅覚が鋭い。
だからお前もさぞや嗅覚が鋭いんだろうな」


一段目の犬は忠誠心が強いというニュアンスの比喩、二段目は実際の犬を指しているので定義が変わっています。

さらに二段目の嗅覚は本来の意味。三段目の嗅覚は不正を嗅ぎ分ける力をたとえています。短い文章の中でも定義を変えられるので注意しましょう。

「狼には毛皮がある、
男は狼である、
ゆえに男には毛皮がある」

狼の定義が変わってる。

「あの女は泥棒猫だ、
猫には牙がある、
ゆえにあの女にも牙がある」

猫の定義が変わってる。

実際の有名なやつ

非戦闘地域では戦闘がおきていない。
自衛隊の行く場所は非戦闘地域だ。
だから自衛隊の行く場所では戦闘がおきていない」

一段目は実際的な非戦闘地域で、二段目は法律上の非戦闘地域だということらしいよなんか。

「法律では殺人を禁止していながら、一方で死刑という殺人を犯すのは矛盾している」

前半の“殺人”の定義は「法律上の解釈で違法とされる人殺し(戦争、妊娠中絶、正当防衛、死刑を除く人殺し)」を指していて、後半の“殺人”の定義は「人を殺す行為すべて」を指しています。

A氏 「私は○○(特定の思想)を支持します」
B氏 「○○を支持する奴は本当の日本人じゃない」
A氏 「では日本人でなくて結構です」
B氏 「じゃあ今すぐ日本から出て行け!!」

2行目の「日本人」は価値観のうえでの日本人を指していますが、4行目では法律上の日本国籍を指しています。

前の定義で統一するなら4行目は「私の価値観のうえで日本人として認められない者は日本から出て行け」となり、後の定義で統一するなら2行目は「○○を支持する者は日本国籍を持たない」となるのでムチャクチャです。


「あるAはBである」、
ゆえに「BでないならAではない」

「あるAはB」と「すべてのAはB」は扱いが違います。「あるAはB」の対偶は「BでないならAではない」にはなりません。

例 「ある人間は男である。ゆえに男でないなら人間ではない」
こうはなりません。

同様に
「私の知人のある女は非論理的だ。ゆえに非論理的でない女はいない」
この推論形式は正しくありません。



※ここまでの注意
なお論理飛躍を起こしていてもたまたま結論が正しい事もあるので、論理飛躍だからといって即結論を反証したことにはなりません。ただ立証できていないだけです。



自覚がねえぜ!
自己矛盾!!


矛盾とは前に言ったことと後に言ったことが一致しないこと。二つの事柄のつじつまが合わないことです。

自己言及系の例にはあの有名な

P「唯一絶対の真理は存在しない。はい論破」
S「ならば『唯一絶対の真理は存在しない』という唯一絶対の真理が存在することになるではないか、矛盾する。はい論破」
P「ぐぬぬ」

というのがあります。ほかにも

「ルールを押し付けるな!」
「なら『ルールを押し付けるな』というルールも押し付けるな」

みたいなの。

「個人の意見は自由だ!」
「いいけどそれだと『個人の意見は自由ではない』という個人の意見も自由になるぞ」


「人の価値観を否定するのは良くないよ」
「はやくも『人の価値観を否定しても良い』という人の価値観が否定された」


「人が嫌がることを言うのは良くない」
「その発言によって俺が嫌がってます。なおこの意見に対する反論にも嫌がります」


「ホームページに書いてあることは信用できないってホームページに書いてあったぞ!」
「なんでそれだけは信用してんだよ」


「常識を疑うのはもはや常識」
「それは疑わなくていいのか?」


「バカは間違った事しか言わないから意見を言うのをやめるべきだ。私はもう自分がバカだと悟ったから意見を言うのをやめた」
「じゃあその意見自体も間違ってんじゃね、あと言ってんぞ」


「アイツは俺のせいにしてる。でも他人のせいにする奴に正しい奴はいない。だから俺のせいじゃない」
「いいけどお前の頭上にも全部降りかかってるぞ」
「俺は別」
「矛盾するだろ」


「理論武装は良くない」
「『理論武装は良くない』という理論武装はいいのか?」


「物事を大袈裟に言うなと100万回言っただろ!!」
「大袈裟!!!」


それ以外にも
前提1.AならばBである
前提2.AならばBでない
という構造があります。

「ネットの議論で論理学を使うのはズルいからやめるべきです。僕も使いたいのでどうやるのか教えてください」


1.ネットの議論で論理学を使うのはやめるべき。
2.僕はネットの議論で論理学を使うべき。

1と2が矛盾するのでどちらかを取り下げる必要があります。

A「俺は義務を果たさない者の権利は保証してない」
B「それだと権利を保証する義務を果たしてないAさんの権利も、保証しなくて良いことになりますが」
A「俺は別」
B「矛盾するだろ」



A「全国の中学校で、素行の悪い生徒が真面目な生徒の学習を妨害する問題が起きています。対策として加害生徒を特別学級へ移し、被害生徒から分離するとともに、スキルの高い教師が加害生徒の更生を試みる新制度を立案します」

B「特別学級に加害生徒を更生させる力はない。刑務所の出所後の再犯率が高いのがその証拠である。更生させられなければ分離する意味がない。よって制度には反対である」

A「その理屈だと刑務所も廃止すべきということになりますが、同意しますか?」

B「刑務所はいいの」

A「なんでだよ」


論理構造
前提1.刑務所に更正力はない。
前提2.刑務所に更正力がないなら、特別学級にも更正力がない。
前提1と2より.特別学級に更正力はない。...(X)
前提3.更正力がないものは全て不要である。
前提Xと3より.特別学級は不要である。...(結論)

前提1と3によって刑務所も不要になるんですね。


P 「価値観は人それぞれ違うのだ、普遍的に正しい価値観はない。はい論破」

S 「ならば『普遍的に正しい価値観はない』という普遍的に正しい価値観があるではないか、矛盾している。はい論破」

P 「『普遍的に正しい価値観はない』という意見自体は価値観ではなく事実だから矛盾しない。はい論破」

S 「ずるい」


みんな!オラにちっとつ元気を分けてくれ!ツイート

関連サイト
NHK高校講座 ロンリのちから 第1回 三段論法(動画)
NHK高校講座 ロンリのちから 第2回 誤った前提・危険な飛躍(動画)
誤謬 - Wikipedia(形式的誤謬の例)
Wikipedia - 詭弁 - 前件否定の虚偽
前件否定 - Wikipedia
Wikipedia - 詭弁 - 後件肯定の虚偽
後件肯定 - Wikipedia
Wikipedia - 詭弁 - 媒概念不周延の虚偽
選言肯定 - Wikipedia
Wikipedia - 詭弁 - 媒概念曖昧の虚偽
誤った二分法 - Wikipedia
詭弁術の考察―短絡的な思考



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【新たな前提を加える反論】(主張型の反論) 

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