第二章 論理的な反論の仕方

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●メンタル管理―意見と人格は切り離して考えよう

あなたは自分の意見が否定された時に、自分の人格まで否定されたような気持ちになりますか?

意見と人格は別のものです。相手の人格を攻撃しても、主張の正当性を否定することはできません。主張を否定するためには、主張を支える前提(理由や根拠)を攻撃しなければなりません。

相手の人格を攻撃すると、相手の自尊心は傷ついて、認知的不協和も強くなり、説得は成功しなくなります。相手は自尊心を守るために意固地になります。なので、相手が自尊心を攻撃されたと思うような、攻撃性の強い言葉や口調で批判することも避けるべきです。

反論をするときは、相手に苦痛を与えることを目的にしてはいけません。主張をする本来の目的は異なる考え方を持つ人を説得する事です。説得を成功させるために、相手が意見を変えやすい状況を作ってあげましょう。

相手の主張に間違った箇所を見つけても、故意にウソをついたと決め付けないようにしましょう。ただの間違いかもしれません。

悪い例: 「平気で嘘つくな!お前の主張には因果関係がないだろ!」
良い例: 「この部分は違うと思います。結論と根拠に因果関係がないようです。なぜなら〜(根拠を述べる)だからです。」

大事なこと: 人を批判するな。意見を批判せよ。

たとえ自分自身が正しいと思っても、
けして昴奮して荒々しく討論してはいけない。

-チェスターフィールド- イギリスの政治家・外交官


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論理的な反論の仕方についてさらに深く学習したい方には、小野田博一氏の『論理的に話す方法』をお薦めします。論理の欠陥を見つける手法が、やさしい文章で詳しく解説されています。

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