第一章 論理的な主張の仕方

考えを表現する能力は、考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-

■TOPへ 論理的な議論の仕方(論理的思考力のトレーニング)

●論理の原則7【根拠を支える事実を書く】

【主張A】の根拠「神奈川県では警察官の増員によって犯罪率が低下した事例がある。」に対しても、「それって本当に?証拠があるの?」と、疑う人がいます。

前にも書いた通り、その考え方は正しいのです。何でも疑ってかかるクセを身につけてください(このクセは次の章の"反論の仕方"に関係あります)。

根拠の質を高めるためには、根拠が確かなものである事を証明するための事実(統計資料など)を提示する必要があります。

それでは、異なる考えを持つ人を説得するために必要な、事実を書きましょう

【主張A】の場合は、神奈川県警の警察官の人員の推移を表した資料と、神奈川県の犯罪率の推移を表した資料を用意すれば良いでしょう。それを書き加えます。

警察庁の警察白書によると過去五年間にわが都市の犯罪率は1%上昇している、わが都市の犯罪率を抑えねばならない。ゆえに警察官を増員するべきである。

なぜなら、神奈川県では警察官の増員によって犯罪率が低下した事例があるからである。資料を見てほしい。この資料によると2002年から2007年にかけて神奈川県警の警察官の人員を10%増やしたところ、同期間のうちに犯罪率は0.5%低下したのである。

資料の出典を必ず明記しましょう。資料がネット上にあるのなら、URLを書くと親切です。出典元を忘れてしまった場合はその事を正直に書きましょう。少なくとも、何も書かないよりは、論理性が高くなります。



理由と根拠は事実によって支えられています。

主張に真実味を持たせたければ、統計的事実に基づいて主張しましょう。統計的事実による裏付けが無い主張は、推測仮説になるので、論理性が弱まります。

では、事実や根拠はどのようにして探せば良いのか? とお考えの方もいると思いますので、四つの方法を紹介します。

◇方法1 インターネットで調べる。
検索エンジンで調べたい用語と資料の形式で複合検索をすれば、欲しい情報が発見できる可能性があります。またGoogle検索で「site:go.jp」と入力して複合検索をすると、日本の政府機関の公的文書のみを検索結果に表示できます。
例:「神奈川県 犯罪率 統計」 「投票率 推移」 「自殺者数 2007年」 「平均所得 site:go.jp」など。
厳選したリンクと書籍に掲載しているデータベースサイトもご活用ください。

◇方法2 調べたい分野の書籍を読む。
Amazonで、調べたい分野のキーワードで検索する。私の経験則では、レビューの星の数が4つ以上の本を買うとハズレが少ないようです。 また、著者が修士号以上の資格を持っていたり、調べたい分野の研究者なら有益な情報が多いように思えます。

◇方法3 Google ブック検索を利用する。
Google ブック検索は書籍の本文を検索して中身を見ることができるサービスです。

次のページ
前のページ
■HOMEへ 論理的な主張の仕方/文章の書き方
■TOPへ 論理的な議論の仕方(論理的思考力のトレーニング)


目次
■論理的に表現することの大切さ。
●言いたい事がうまく伝わらない原因はたいてい書き手の側にある。
●論理的でない主張は、もともと同じ意見をもつ者からしか支持されない。
■論理的に書く技術。
●論理の原則1【結論を書く】
●論理の原則2【結論を支える理由を書く】
●論理の原則3【理由を支える事実を書く】
●論理の原則4【隠れた前提を書く】
●論理の原則5【結論を支える根拠を書く】
●論理の原則6【結論と根拠の繋がりを書く】
●論理の原則7【根拠を支える事実を書く】
●論理の原則8【言葉の定義を詳しく書く】
●論理の原則9【根拠をたどって結論を導く】
■親切な文章の書き方。
●文章の書き方1【丁寧語(です・ます調)で書く】
●文章の書き方2【接続詞を使う】
●文章の書き方3【平易な表現を使う】
●文章の書き方4【文章の冒頭で全体像を見せる】
■Plan-Do-See(プラン・ドゥ・シー)計画・実行・反省。
●計画
●決定権の確保
●実行
●反省
■論理的に考えるための補足。
●論理的な思考法1【正しさや善悪は視点(前提)により変化する】
●論理的な思考法2【正しい知識を披露する事と影響力を与える事は違う】


論理的な主張の仕方についてもっと深く学習されたい方には、小野田博一氏の『論理的に書く方法』をお薦めします。主張の基本原則をやさしく解説しているので、入門書に最適です。

論理的に書かれていない文章が同意を得るのは
もともと同じ意見を持つ者からだけで、
意見の異なる人を説得できるのは、論理的な文章だけです。
(小野田博一 『論理的に書く方法』より)

お客様がこのサイトを採点してください。

アンケートのコメント欄に意見を書いて頂けると、今後の改善により役立ちます。
(どの項目についての評価であるかなど)

ご意見、ご感想用の掲示板はこちらです。

  1. 無料アクセス解析
inserted by FC2 system