第一章 論理的な主張の仕方

考えを表現する能力は、考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-

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●論理的主張の原則―根拠を支える「事実資料」を引用する

例文の根拠は「ニューヨーク市では警察職員の増員によって犯罪率が低下した」ですが、やはりそれに対しても、「それって本当?証拠はあるの?」と疑う人が出てきます。以前にも書いた通り、意見を疑ってかかるクセは良いクセです。(疑うクセは第二章「論理的な反論の仕方」で役に立ちます)

根拠の質を高めるためには、根拠が確かなものであることを証明する事実資料(統計資料や検証データ、専門家の分析など)を提示する必要があります。

例文のなかでは“根拠を支える事実資料”は次の部分です。

次のグラフはニューヨーク市(NYC)の犯罪件数の推移です。(根拠を支える事実資料)
引用元サイト−Tokyo-NewYork.com   アクセス日時―2011年10月12日
著者名 Yasuo Imamura  肩書不明
―引用開始―

出典−ニューヨーク市警本部統計
―引用終了―

ここでも資料の信憑性を高める8項目を可能な限り示しましょう。





目的(必要性)根拠の柱は
事実資料の土台によって支えられています


主張に真実味を持たせたいならば事実資料にもとづいて主張しましょう。事実資料による裏付けのない主張は論理性が弱まります。

では、そもそも思索の元となる事実資料や専門家の分析はどこで見つければよいのでしょうか? いくつかの方法を紹介します。 

1.WEB検索を利用する。
検索エンジンで、調べたい用語と欲しい資料の種類で検索をかければ知りたい情報を発見できるかもしれません。またGoogle検索で「site:go.jp」と入力して複合検索をかけると、日本の政府機関の公的文書のみを検索対象とすることができます。
検索例、「神奈川県 犯罪率 統計」 「投票率 推移」 「自殺者数 2007年」 「平均所得 site:go.jp」など。

2.論文検索サービスを利用する。
Yahoo!検索(論文)は日本国内の学術論文検索できるサービスです。
Google Scholarはウェブ上の論文などの学術資料を対象とした検索です。

3.データベースサイトを利用する。
当サイトの厳選したリンクと書籍には社会情勢等の統計資料を蓄積するデータベースサイトを掲載しています。

4.知りたい分野の本を読む。
Amazonで知りたい分野のキーワードで検索をかけます。私の経験ではレビューの星の数が4つ以上、 また著者が修士号以上の資格を持っていたり、その分野の研究者なら有益な情報が多い印象があります。

5.Google ブック検索を利用する。
Google ブック検索は書籍の本文を検索対象にすることができ、さらに中身を立ち読みできるサービスです。

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考えを表現する能力は、
考えそのものと同じくらいに重要である。
−B.バルバ−


第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー

【考えを表現する能力】

【考えそのものを創る能力】


論理的な主張の仕方についてもっと深く学習されたい方には、小野田博一氏の『論理的に書く方法』をお薦めします。主張の基本原則をやさしく解説しているので、入門書に最適です。

論理的に書かれていない文章が同意を得るのは
もともと同じ意見を持つ者からだけで、
意見の異なる人を説得できるのは、論理的な文章だけです。
(小野田博一 『論理的に書く方法』より)

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