第一章 論理的な主張の仕方

考えを表現する能力は、考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-

■TOPへ 論理的思考力と議論とディベート

●わかりやすい文章の書き方―文章の冒頭で全体像を見せる

文章の冒頭に主張の全体像を見渡せる案内文を書きましょう。案内文とは、その主張で論じたい議題についての簡潔な説明文の事です。案内文のあとに細かい説明に入ったほうが読み手に余計な負担をかけずにすみます。

例文なかでは結論部分が案内文の役割を果たしています。

ブエノスアイレス市の警察職員を2000人増員することを提案します。

案内文は、主張のテーマや結論が一見して分かるように書きましょう。

案内文がない文章は、最後まで読み終えたあとに、また冒頭に戻って読み直さなければならないことがあります。次の例文には案内文がなく、結局何が言いたかったのかが最後に明かされています。(ネットのジョーク集からの抜粋)

刺身ばっか注文すんなよ生魚食うの馬鹿にしてんだろってか鯵は三点盛りにも入ってんだよ注文かぶるだろあとメインの取り皿に醤油入れんな全部醤油味になるだろ天麩羅はまだ来ないよ時間かかるんだよ活け造りで興奮すんなよ残酷じゃなかったのかよなめろういっぺんに食うんじゃねーよ山葵もいっぺんに食うな天麩羅はまだだよそうだよこれがミソスープだよ俺が注文したのに口付けんじゃねーよ臭いなら飲むのやめろよマグロモウナイノ(´・ω・`)ってまた注文すればいいんだよ別にみっともなくねーよはいはい天麩羅来たよまてこら塩振るんだよ熱いうちに塩をなじませるんだよ熱いって言ってんだからかぶりつくなよウーロン茶頼んだから口冷やせ天麩羅怖くねーよ冷ませば熱くなくなるだろ獅子唐のヘタは無理して食わなくていいんだよ漢字読めないのに勝手に注文するなよそれ漢字名だけどカクテルだよ酒盗いっぺんに食ってんじゃねーよ



外国人を居酒屋デビューさせると大抵疲れます。

もう一つ。

ダイナミック
まず、左上から右下に向かって真っすぐに降下。
そのまま消えていったとみせかけて、突如右上に出現。
その後、同じように左下に降下していくのかと思わせておいて、ギリギリで急上昇のアクロバット。
そして反り返るように右上に舞い戻り、更に反り返って急降下。
極めつけは、「この勢いならこのまま右下に消えるだろう…」という、大方の予想を裏切り最後にまさかの一回転!



「おれのパクリじゃん」って高をくくって見ていた『め』 も
最後の最後で度肝を抜かれたと思う。

ダイナミックだよね、『ぬ』。

この構成はジョークとしては良いのですが、論文としては悪い例です。結論や主題を最後に書くと、読者は文章を読み終えたあと、もう一度冒頭に戻って、いままで書かれていた根拠が、結論や主題にどのような関わりがあるのかをもう一度考えなければなりません。

結論や主題を冒頭に書けば、読者はこれから書かれる根拠が、結論や主題とどのような関わりがあるのかを意識しながら読むことができるので、負担が軽減します。

次のページ
前のページ
■HOMEへ 論理的な主張の仕方/文章の書き方
■TOPへ 論理的思考力と議論とディベート



考えを表現する能力は、
考えそのものと同じくらいに重要である。
−B.バルバ−


第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー

【考えを表現する能力】

【考えそのものを創る能力】


論理的な主張の仕方についてもっと深く学習されたい方には、小野田博一氏の『論理的に書く方法』をお薦めします。主張の基本原則をやさしく解説しているので、入門書に最適です。

論理的に書かれていない文章が同意を得るのは
もともと同じ意見を持つ者からだけで、
意見の異なる人を説得できるのは、論理的な文章だけです。
(小野田博一 『論理的に書く方法』より)

お客様がこのサイトを採点してください。

アンケートのコメント欄に意見を書いて頂けると、今後の改善により役立ちます。
(どの項目についての評価であるかなど)

ご意見、ご感想用の掲示板はこちらです。

  1. 無料アクセス解析
inserted by FC2 system