第一章 論理的な主張の仕方

考えを表現する能力は、考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-

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●論理的主張の原則―結論を支える「実行方法」を書く

ここでは結論を支える前提(主張の柱)の1つ、実行方法について解説します。主張に現実味を持たせるためには実現手段を書く必要があります。ビジネスや政策において費用は無視できません。費用に触れていないとあとから指摘されやすいので気をつけましょう。細かい数字がわからないなら概算を書くだけでも論理性は高まります。政策の多くは費用と効果のトレードオフになります。両者を天秤にかけて実行する価値があるかどうかを考えましょう。

5W3Hのなかでは次の5つが重要になります。

How   (実現手段・方法)   … どのような手段で実現するのか
How Much(必要費用)      … 費用や労力はどれくらいかかるのか
Where  (対象範囲・場所)   … どこを対象にやるか
Who   (実現体制・分担)   … 誰が負担、実行するのか
When  (実現時期・期限)   … 実現までにどのくらい時間がかかるか

例文のなかでは次の箇所が実行方法に当たります。

予算と財源に関して、警察職員2000人の増員に必要な経費は年16億円になります。市民1人当たり約530円の負担で実現可能です。財源は所得税の増税を考えています。ブエノスアイレス市全域を対象に5年間で年400人ずつ増員する計画です。

日本は民主主義国家ですから、政策を実現するためにはより多くの賛成票を集める必要があります。そのためには多くの人が政策の費用対効果が充分であると納得する必要があります。特定の決定権者がいる場合はその人の同意を取り付ける必要があります。

また実行したあとも、当初の目標を達成できたか、トラブルが起きなかったかなどを調査して、問題箇所があれば原因を分析して改善しましょう。

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考えを表現する能力は、
考えそのものと同じくらいに重要である。
−B.バルバ−


第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー

【考えを表現する能力】

【考えそのものを創る能力】


論理的な主張の仕方についてもっと深く学習されたい方には、小野田博一氏の『論理的に書く方法』をお薦めします。主張の基本原則をやさしく解説しているので、入門書に最適です。

論理的に書かれていない文章が同意を得るのは
もともと同じ意見を持つ者からだけで、
意見の異なる人を説得できるのは、論理的な文章だけです。
(小野田博一 『論理的に書く方法』より)

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