第四章 統計の嘘の見抜き方

嘘には3つの種類がある。 嘘、真っ赤な嘘、そして統計だ。
− ベンジャミン・ディズレイリ −

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■ニセ科学・インチキ実験の見抜き方。
●インチキ実験1 【対照実験をしない】

ある実験の結果が本当に意味のあるものかどうかを確かめるためには、対照実験という方法を取る必要があります。

goo辞書によると、対照実験とは、

一つの対象に対するある条件の影響を明らかにしようとする実験(本実験)を行う際、目的とする条件以外は本実験と同じ条件で行う実験。両実験結果を比較検討することにより、その条件の影響が明らかになる。

例えば、「食品Aにはダイエット効果があるか?」という実験をする際には、被験者をAグループとBグループの二つに分けて、Aグループには食品Aを与えて、Bグループには食品Aは与えません(もしくは偽物を与えます)。

それから、全ての被験者の間で食品A以外の条件を同じにそろえます。なぜなら、例えば運動量や食事の内容がみんなバラバラだと、被験者が痩せたとしても、もしかしたら運動をしたおかげで痩せたのかもしれないし、食事制限のおかげで痩せたのかもしれないからです。

つまり食品A以外にも痩せる原因が多すぎるのです。これでは、本当に食品Aのおかげで痩せたのかどうかが判りません。だから、実験の目的である食品A以外の条件を、全員同じようにそろえる必要があるのです。

そして、食品Aを食べたAグループと、食べていないBグループを比べて、Aグループの方が痩せていたら、食品Aにはダイエット効果があると言えるのです。

ここで問題です。次の実験の誤りを指摘してください。

『我が社のダイエット食品Aの効果を検証した。被験者には食品Aを食べること以外は、普段通りに生活してもらった。その結果、被験者は五人とも全員が3kg以上のダイエットに成功した。』

【答え】 空白部をマウスでドラッグしてください。

・標本数が少ない。
・研究者が利害関係者である。
・対照実験をしていない。
・実験の目的(食品A)以外の条件をそろえていない。(普段の生活はみんなバラバラ)

ちなみにテレビの科学番組の実験では、対照実験や目的以外の条件をそろえる事はほとんど行われていません。これからはその点に注目しながらご覧になってください。

インチキ実験に関する筆者のお薦めサイトです。
あるある大辞典(大事典)のニセ実験と洗脳!
教養ドキュメントファンクラブ回復!スパスパ人間学発掘!あるある大事典

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目次
■統計のウソを見抜く方法。
●統計のウソ1【比較対象の定義が異なる】
●統計のウソ2【偏った標本】
●統計のウソ3【少ない標本】
●統計のウソ4【誘導的な質問】
●統計のウソ5【空気を読んで答える人】
●統計のウソ6【見栄をはる人】
●統計のウソ7【利害関係のある調査員】
●統計のウソ8【平均には三つの種類がある】
●統計のウソ9【視覚でごまかす】
【動画で学ぶ統計の基礎】
■ニセ科学とインチキ実験を見抜く方法。
●インチキ実験1【対照実験をしない】


統計のウソを見破る方法についてもっと知りたい方には、ダレル・ハフ氏の『統計でウソをつく法』をお薦めします。

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