論理的思考力と論理的な議論




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【論理的思考力と議論】

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【その他】


ディベートとは?

・広義のディベート
ディベートとはある論題(ディベートテーマ)について異なる意見を持つ者同士が意見の正当性を議論しあい、勝敗を第三者が判定することをいいます。例えば議員候補者がある政策の是非について異なる立場から論じあう討論会と呼ばれるものもディベートの一種です。

・競技ディベート(狭義のディベート)
あるディベートテーマについて肯定側と否定側に分かれて、決められた時間や順番通りにディベートする競技です。試合として行うので、最終的に審判が勝敗を判定します。競技ディベートには次の3種類のディベートテーマがあります。

事実に関するディベートテーマ(あることが真実か否かをディベートで競う)
政策に関するディベートテーマ(あることをすべきか否かをディベートで競う)
価値観に関するディベートテーマ(あることが良いか悪いかをディベートで競う)

ディベートの形式にはいくつか種類があります。

アカデミックディベート(ポリシーディベートとも)
論証性を重視したディベート形式で、試合の数ヶ月前にディベートテーマが発表され、証拠資料を集めてからディベート試合にのぞみます。米国で流行したディベートスタイルです。

パーラメンタリーディベート
即興性を重視したディベート形式で、試合の15分~30分前にディベートテーマが発表され、その場でディベートにのぞみます。イギリスの国会を模倣したディベートスタイルです。

・教育ディベート(狭義のディベート)
 学校などで教育目的で行われるディベートを教育ディベートと呼びます。アメリカやイギリスではいち早く教育ディベートが取り入れられ、近年では日本の学校にも教育ディベートが取り入れられています。

 教育目的で行うディベートには価値ディベートよりも政策ディベートのほうが適しているとされています。といのも、初心者が価値ディベートをすると価値観の押し付け的な水掛け論におちいりやすいのですが、政策ディベートならメリットとデメリットの比較という分かりやすい判断基準があるためです。また政策ディベートのなかには価値ディベートや事実ディベートも含まれているので総合的なディベート力を養えます。

例えば「日本は捕鯨を禁止すべきか」という政策ディベートのなかには、「鯨を殺すのは残酷か」という価値ディベートが含まれる可能性があります。また「日本は第二次世界大戦で犯した虐殺の賠償金を支払うべきか」という政策ディベートには「虐殺の事実はあったか」という事実ディベートが含まれる可能性があります。

またディベートテーマに賛成か反対かはくじ引きで振り分けられるため、本来の自分の意見とは異なる立場からディベートをすることで、自分の考えの浅い部分を知ることもできます。なおディベートテーマの選定に選手は関与しません。

・ディベート教育に対する批判
 ディベートの技術が悪用されるのではないかという指摘があります。そもそもディベートでは詭弁(意図的に巧妙な屁理屈を駆使して人を騙す論法)を見破るために、詭弁の手口を学びます。であれば、悪意を持つ者が詭弁の知識を悪用するのではないかということです。

事実オウム真理教の上祐被告は大学でディベートの技術を学んでおり、マスコミの前で教団の正当性を主張するためにディベート技術を悪用していました。他にもカルト宗教の勧誘を行う者が「今の社会で起きていることは予言されていたのです。ほら、聖書のここを見てください。書いてあるでしょ?」というのも一応ディベート的な技術です。

最も恐るべきなのは、ヒトラーがディベートの技術によって国民の支持を受け独裁者の地位を得たという事実です。つまりディベート技術はマインドコントロールにも応用できるということです。

 私はディベート技術は悪用できると思っています。「ならば始めからディベート教育なんかしなければ良いではないか」という意見もあると思いますが、悪意を持つ者は人を操作するためならば独学でディベート技術を身につけます。そのときにディベート教育を受けていない人々は簡単に操られてしまうでしょう。

しかし、あらかじめ国民にディベート教育を施しておけば、いち早く詭弁家を見抜いて、事なきを得るでしょう。手品師が超能力者のタネを見破るのと同じく、詐欺から身を守るものは詐欺の知識であり、悪意のディベートから身を守れるものは自身のディベート知識なのです。

・ディベート大会
日本ディベート協会の主催する日本語ディベート大会の決勝戦の記録が公式サイトで公開されているのでご覧ください。また各ディベート団体のサイトにディベート大会の開催情報が記載されておりますので、観戦したい方はご確認ください。

日本ディベート協会
全日本ディベート連盟
全日本ディベート連盟(FaceBook)
全国教室ディベート連盟(中学・高校ディベート甲子園はここ)

・対話とディベートの違い
ディベートには前提として必ず意見の対立がありますが、対話には必ずしも意見の対立はありません。人によって意見が違っても良く、人の意見を聞いて自分の意見を変えても良いのです。自分の考えをより良くするために意見交換を行うのが対話です。

ディベート大会動画ページ

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