| 嘘は嘘であると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい。 - 西村 博之 - |
詭弁
―間違っていることを、正しいと思わせるように仕向けた議論―
目次
●詭弁とは?
●強弁【根拠を述べない】
●詭弁【これまでは○○であったから、○○すべきだ (伝統論証)】
●詭弁【自然界では○○だから、○○すべきだ (自然主義的誤謬)】
●詭弁【道徳的なのは○○だから、事実も○○である (道徳主義的誤謬)】
●詭弁【ネガティブな言葉の印象に頼る (感情が充填された語)】
●詭弁【印象で判断する (印象論)】
●詭弁【常識的に考えれば明らかである (知性への脅し)】
●強弁【罪を引き算する (相殺法)】
●詭弁【人格を批判する (対人論証・人格批判)】
●詭弁【連想ゲーム (連座の誤謬)】
●詭弁【○○と偉い先生が言っていた (権威論証)】
●詭弁【○○の支持者の方が多いから、○○が正しい (多数論証)】
●詭弁【○○でないという証拠がないから○○である (悪魔の証明)】
●詭弁【じゃあ○○になってもいいんですか? (反語)】
●詭弁【暗示にかけようとする質問 (多重尋問の誤謬)】
●詭弁【生きたくても生きられない人もいるのに (誤った二分法)】
●詭弁【少数の事例から一般論を導く (早まった一般化)】
●詭弁【都合の良い事例のみを挙げる (観測結果の選り好み】
●詭弁【全体が○○だから、ある部分も○○ (分割の誤謬)】
●詭弁【○○の後に××が起きたから○○が原因 (前後即因果の誤謬)】
●詭弁【○○と××が同時に起きたから○○が原因 (擬似相関)】
●詭弁【○○と××は同じ理屈だ (誤った類推)】
●詭弁【一度○○を許せば、たちまち××になるであろう (ドミノ理論)】
●強弁【価値観の押し付け】
●詭弁【必要ないから規制しろ】
●強弁【難解語・抽象語で煙に巻く】
●強弁【トボケ通す】
●詭弁【あなたの主張は詭弁だから間違ってる (論点先取)】
●強弁【議論を回避する質問 <わからない>編】
●強弁【議論を回避する質問 <オウム返し>編】
●強弁【議論を回避する質問 <発言に割り込む>編】
■詭弁とは?
詭弁とは、『間違っていることを、正しいと思わせるようにしむけた議論』のことです。具体的に言うと、『前提が結論を正しく支えていない主張(もしくは反論)』です。「詭弁」は、論理学の専門的な用語では「誤謬論」や「虚偽論」とも呼ばれています。
本章では、詭弁と強弁の解説をします。それぞれの意味は次の通りです。
・『詭弁』 - 結論を前提が正しく支えていない議論のこと。
・『強弁』 - 道理が通らない主張を無理に言い張ること。
さて、以前、2chで「詭弁の特徴のガイドライン」というものが考案されました。その内容はリンク先をたどって頂ければわかります。ところが、この詭弁の特徴のガイドラインには、いくつかの誤りが含まれております。その一覧を以下に書き出します。
| 1:事実に対して仮定を持ち出す 「犬は子供を産むが、もし卵を生む犬がいたらどうだろうか?」 →証拠を示して仮定を立証すれば良いので詭弁ではない。到底ありえない仮定ならば、そのおかしな点を指摘すればよい。 2:ごくまれな反例をとりあげる 「だが、時として尻尾が2本ある犬が生まれることもある」 →「“すべて”の犬の尻尾は1本である」とする主張に対しては反論になりうる。 3:自分に有利な将来像を予想する 「何年か後、犬に羽が生えないという保証は誰にもできない」 →「未来永劫、犬に羽が生えることはない」とする主張に対しては反論になりうる。 8:知能障害を起こす 「何、犬ごときにマジになってやんの、バーカバーカ」 →相手を一方的に知能障害と決め付ける行為は人格批判になる恐れがある。 10:ありえない解決策を図る 「結局、犬が卵を産めるようになれば良いって事だよね」 →ありえないかどうかは根拠を聞いてみなければ判らない。 14:細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる 「犬って言っても大型犬から小型犬までいる。もっと勉強しろよ」 →もしそれが結論を支えている前提(根拠)ならば指摘するべき。 |
以上のような誤りが以前から指摘されていました。そこで、誠に勝手ながら本章のタイトルを「新しい詭弁の特徴のガイドライン」として、31項目の詭弁と強弁を解説いたします。旧・詭弁の特徴のガイドラインと重なる項目もありますが、本章ではそれがなぜ間違っているのかの解説に重点を置きます。
★議論の相手が詭弁を使っていたときの対処法も書いておきましょう。
■詭弁への対処法
・相手が意図的に詭弁を使ったと決め付けない。(間違えただけかもしれない)
・相手の主張の欠けている前提について質問をする。
・相手の主張の前提が結論を正しく支えていない理由をきちんと説明する。
・議論から抜ける。
特に重要なのは、相手が意図的に詭弁を使ったと決め付けて非難しないことです。詭弁というのは、議論に慣れていない方が無意識に使ってしまう場合と、他人を騙そうとして意図的に使う場合とがあります。「それは詭弁だ!」とストレートに言ってしまうと、相手の反感を買って説得から遠ざかってしまうので注意が必要です。
ところで、このように詭弁の知識を紹介すると、かえって悪用されるのではないかと心配される方もいると思います。ですが、私の考えは「タネの明かされたマジックは使えない」というものです。先に詭弁が通用しない民度の高い国を作るほうが堅実だと考えます。
★本章には問題が出題されますが、答えの文字色を背景と同じにして隠してあるので、マウスでドラッグして表示してください。
★本章に登場する詭弁の例文は筆者の個人的な思想とは関係ありません。ただし、筆者の知識や経験をもとに書いているので多少は内容に偏りがあるかもしれませんが、気にしないでください。
次のページ
前のページ
■HOMEへ 新しい詭弁の特徴のガイドライン
■TOPへ 論理的な議論の仕方(論理的思考力のトレーニング)
詭弁についてより深く学習したい方には小野田博一氏の『正論なのに説得力のない人ムチャクチャなのに絶対に議論に勝つ人 正々堂々の詭弁術』をお薦めします。詭弁についてやさしい文章で一から解説されています。
お客様がこのサイトを採点してください。
アンケートにコメントを頂けると、今後の改善により役立ちます。
(どの項目についての評価かなど)
ご意見、ご感想用の掲示板はこちらです。


