当サイトが最も参考にさせて頂いている
小野田博一先生の新刊が出版されます!
『話す・聞く・考える 「論理力の基本」トレーニングブック』
7月31日発売。予約受付中!
【論理的思考力と議論】
【上級者の実戦を観察する】
【心理と対話】
【その他】
考えを表現する能力は、
考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-
第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー
【考えを表現する能力】
【考えそのものを創る能力】
最終更新日:2016.1.3
ここでは議論そのものの種類と、議論で扱う論題(議題のテーマ)の種類について説明します。
議論の種類
議論の種類を把握することは、議論の目的を把握するうえで重要です。「やる夫で学ぶ議論のしかた」にも載っていたIwatam案が原案ですが俺の解釈も入ってるぜ、フリーダム!
■討論 (広い意味のディベート)
・ある論題について肯定側(認める派)と否定側(認めない派)に分かれて意見を述べ合う。基本的に途中で立場を変えることはない。
・説得する相手は議論相手ではなく、聞いている観客や審判。
・観客の理解を深める目的で行われる。
・「朝まで生テレビ」や「そこまで言って委員会」や「日曜討論」などのテレビ討論はこのタイプ。
■競技ディベート
・肯定側と否定側に分かれて、定められた試合ルールに則って主張を戦わせる競技。途中で立場を変えてはいけない。本来の自分の思想の側でプレイできるとは限らない。
・説得する相手は審判。
・自身の理解を深めるとともに論理的思考力を向上させるために行うが、聞いている方も勉強になる。
(左メニューのディベート動画集にサンプルが沢山あります)
■議決
最終的に集団としての意思決定を行うために話し合う。全員の意見が一致しない場合は、全ての案のメリット(利点)とデメリット(欠点)を明らかにした上で多数決などを用いる。
・自身の理解を深めるとともに、意見を他人に知ってもらう目的で行う。
・議会制民主主義の選挙やテレビ討論の「太田総理」はこのタイプ。
・【参考動画】2011年ウォール街占拠デモの際に行われた議論の様子。
■対話
自分とは違う意見を聞いて理解を深めるために行う、その場の結論を1つにまとめる必要はない。
論題(議題のテーマ)の種類
肯定側と否定側に分かれて議論できる論題には大きく分けて3つの種類があります。事実論題・政策論題・価値論題です。
■事実論題では、あることが真実か否かを議論します
例
「神は存在するか否か」
「南京大虐殺は真実か否か」
「被告は有罪か否か」
事実論題では真偽が問われます。
■政策論題では、あること(方針)をすべきか否かを議論します
ここで言う政策には経営戦略や一般的な提案も含まれます。
例
「日本は消費税率を上げるべきか否か」
「わが社は新システムを導入すべきか否か」
「わが校にバスケットボール部を新設すべきか否か」
「日本は中学校での論理教育を必修化すべきか否か」
政策論題では損得が問われます。
■価値論題では、ある物事が良いか悪いか(道徳や価値)を議論します
例
「科学は人類を幸せにするか否か」
「タトゥーを入れるのは悪いことか否か」
「学校は世の中の役に立っているか否か」
「論理的思考は役に立つか否か」
価値論題では「善悪」または価値の「高低」が問われます。
-----------------------------------------------------------------
肯定か否定しかできない論題以外にも、自由な発想ができる論題もあります。
例 「会社の売り上げを増やすにはどすれば良いか?」
このように答えが無数にありそうな論題では議論する範囲が広すぎて一度に結論を出すのが難しくなります。
なので議論中に出た提案について個別に議論することになります。
例
「もっと宣伝をすれば良いと思います」
「もっと商品の質を上げればいいと思います」
「インターネットで売ればいいと思います」
などの提案が出れば次の段階で
「もっと宣伝をするべきか否か」
「もっと商品の質を上げるべきか否か」
「インターネットで売るべきか否か」
というように個別の政策論題として是非を検討できます。
答えが無数にある論題には「定義論題」もあります。
■定義(ていぎ)論題
言葉などを定義するために行う議論。
てい‐ぎ【定義】
1 物事の意味・内容を他と区別できるように、言葉で明確に限定すること。「敬語の用法を—する」
分かりやすく言うと言葉の意味を決めるために行う議論です。
例:
「神の定義はなにか?」
「南京大虐殺の定義はなにか?」
「幸せの定義はなにか?」
「論理教育の定義はなにか?」
神を定義せずに「神は存在するか」という議論はできません。議論をする前に言葉を定義しておかないと、みんなが自分の主張に有利なように言葉の定義を歪めてしまいます。なので定義論題は重要です。
【問題】以下の論題はどの種類でしょーか
「邪馬台国は九州にあったか」 答え(事実論題)
「アルゼンチンは警察官を増員すべきか」 答え(政策論題)
「日本はイルカ漁を禁止すべきか」 答え(政策論題)
「クジラ漁は良いか悪いか」 答え(価値論題)
みんな!オラにちっとつ元気を分けてくれ!Tweet
考えを表現する能力は、 【考えそのものを創る能力】
考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-
第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー
【考えを表現する能力】