論理的思考力と論理的な議論

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考えを表現する能力は、
考えそのものと同じくらいに重要である。
-B.バルバ-


第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー

【考えを表現する能力】

【考えそのものを創る能力】


「結論」「メリット」「根拠」「実行方法」「事実資料」の補足

最終更新日:2016.01.01

【「結論」についての補足】

主張には必ず結論を書きましょう。結論主張の核(最終的な判断)です。

5W3Hでは
「What (課題・目標・結論) … 何をやるか」
に当たります。

文章の最初に結論を書けば読み手が主張の趣旨を意識しながら読み進められるのでオススメです。

結論が最後に書かれている文章は、読み終えた後にまた冒頭に戻って全体の関わりを再確認しなければならないのでオススメしません。

例文(拾ったやつ)

刺身ばっか注文すんなよ生魚食うの馬鹿にしてんだろってか鯵は三点盛りにも入ってんだよ注文かぶるだろあとメインの取り皿に醤油入れんな全部醤油味になるだろ天麩羅はまだ来ないよ時間かかるんだよ活け造りで興奮すんなよ残酷じゃなかったのかよなめろういっぺんに食うんじゃねーよ山葵もいっぺんに食うな天麩羅はまだだよそうだよこれがミソスープだよ俺が注文したのに口付けんじゃねーよ臭いなら飲むのやめろよマグロモウナイノ(´・ω・`)ってまた注文すればいいんだよ別にみっともなくねーよはいはい天麩羅来たよまてこら塩振るんだよ熱いうちに塩をなじませるんだよ熱いって言ってんだからかぶりつくなよウーロン茶頼んだから口冷やせ天麩羅怖くねーよ冷ませば熱くなくなるだろ獅子唐のヘタは無理して食わなくていいんだよ漢字読めないのに勝手に注文するなよそれ漢字名だけどカクテルだよ酒盗いっぺんに食ってんじゃねーよ



外国人を居酒屋デビューさせると大抵疲れます。

っていう感じなんですよ、ギャグならいいけど真面目文だと大抵疲れます。


また結論は明言しましょう。結論を明言しないと何を言いたいのかよく分からない文章になってしまいます。

結論を明言すると必然的に根拠を書く必要性に迫られるので、書き手は無意識的に結論を曖昧暗示的な表現にとどめて、根拠を書く責任から逃れることがあります。

例文

「警察職員を増やすべきかどうかもっとよく議論するべきだ
言外の意:議論すれば必ず警察職員を増やすべきという結論になるはずだ)

「なぜ政府が警察職員を増やそうとしないのか、私には理解できない
(言外の意: 政府は間違っている、警察職員を増やすべきだ)

「我が都市は本当に警察職員の数をこのままにして置いても良いのだろうか?
(言外の意: いいわけない、警察職員を増やすべきだ)

「警官を増やすべきかどうか、考えてみたらすぐに分かりそうなもんだがな
(言外の意: 考えれば誰でも警官を増やすべきだとわかるはずだ)

「警察力がどれだけ重要かわかってるのかね?
(言外の意: 警察力は重要だ、警察職員を増やすべきだ)

「警官を増やすのと犯罪を放置するのとでは、どちらが正しいかは考えるまでも無い
(言外の意: 考えるまでもなく警官を増やすほうが正しい)


これらの発言は次のメッセージを暗示しています。


「あなたが人並みの知性を持ち合わせているならば、必ず私に同意するはずだ」



つまり「私に同意しないあなたは人並みの知性を持ち合わせていない恥ずかしい人」みたいな劣等感を煽る暗示を忍ばせ、相手が同意せざるを得ないように仕向けているのです。汚いのでやめましょうw

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【「メリット」についての補足】

結論を支える前提の1つ「メリット」は5W3Hの
「Why (目的・必要性・根拠) … 何のためにやるか」
に当たります。

結論によって発生する利益・利点・価値とも言い換えられます。

メリット結論関係のあることを書きます。数が多くて具体的なほど強力な主張になります。

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【「根拠」についての補足】

結論を支える前提の1つ「根拠」も5W3Hでは
「Why (目的・必要性・根拠) … なぜやるか」
に当たります。

根拠とは結論の実行によってメリットが発生する理由を説明する部分です。

これは良くない例
警察職員を増員すれば必ず犯罪率は低下する信じてほしい
これでは根拠を書いたことにはならない、信じてほしい。

異なる意見を持つ人を説得するためには必ず根拠がいります。結論の正しさは根拠の数と質によって決まります。


因果関係

根拠の説得力を増すためには因果関係を説明すると良い。因果関係とは原因結果の関係、ある原因によってある結果が生まれる関係の事です。

前のページの例文の根拠に対して
「警官を増やしたことがNY市の犯罪率の低下と関係あるってどうして分かるんだ?」
と疑う人もいます。この思考は妥当です、書き手が思い込みで主張しているかもしれないからです。

説得力を得るためには、結論がどういう過程を経てメリットを発生させるのか、メリットの発生過程―を説明して原因と結果の間の空白を埋める必要があります。

ここでは犯罪率が低下する仕組みを説明してみましょう。以下例

治安が悪化するまでには次のような経過をたどります。

1.建物の窓が壊れているのを放置すると、それが「誰も当該地域に対し関心
  を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。
2.ゴミのポイ捨てなどの軽犯罪が起きるようになる。
3.住民のモラルが低下して、地域の振興、安全確保に協力しなくなる。それが
  さらに環境を悪化させる。
4.凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。

したがって、治安を回復させるには、
・一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる(ごみはきちんと分
 類して捨てるなど)。
・警察職員による徒歩パトロールや交通違反の取り締まりを強化する。
・地域社会は警察職員に協力し、秩序の維持に努力する。

などを行えばよい。

ニューヨーク市の政策は「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策と名付けられています。具体的には、警察に予算を重点配分し、警察職員を5,000人増員して街頭パトロールを強化した他、
・落書き、未成年者の喫煙、無賃乗車、万引き、花火、爆竹、騒音、違法駐車など
 軽犯罪の徹底的な取り締まり。
・ジェイウォーク(歩行者の交通違反)やタクシーの交通違反、飲酒運転の厳罰化。
・路上屋台、ポルノショップの締め出し。
・ホームレスを路上から排除し、保護施設に強制収容して労働を強制する。

これらの政策を行い治安を回復しました。

っていう感じなんですよ、Wikipediaより。

簡単に言うと根拠を説明した後、根拠の根拠を説明して、さらに根拠の根拠の根拠を説明する感じです。

接続詞

わかりやすい文章を書くためには接続詞も使いましょう。接続詞のない「Aである。Bである。」という文章ではどちらが結論でどちらが根拠なのかわかりません。

一方、「Aである。なぜなら、Bだからだ」という形式の文章なら、Aが結論でBが根拠だとすぐに判ります。

Bである。したがって、Aである。」なら根拠が先に、結論が後に来ます。同じ意味の接続詞には、ゆえにだからよってそれゆえ、などがあります。

また、例を示すときに使う「たとえば」も役に立ちます。

接続詞を使わない例

障害者を差別するのは良くない。自分が差別されたときのことを考えるべきです。自分が事故で体が不自由になることも考えられます。障害者を差別すれば自分にも返ってきます。


接続詞を使う例

障害者を差別するのは良くない。なぜなら、自分が差別されたときのことを考えるべきだからです。たとえば、自分が事故で体が不自由になることも考えられます。ゆえに、障害者を差別すれば自分にも返ってきます。

接続詞を使えば自分の頭のなかも整理できるので、積極的に使いましょう。

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【「実行方法」についての補足】

結論を支える前提1つ実行方法は5W3Hでは次の5つに当たります。

How (実現手段・方法)
… どのような手段で実現するのか
How Much (必要費用)
… 費用や労力はどれくらいかかるのか
Where (対象範囲・場所)
… どこを対象にやるか
Who (実現体制・分担)
… 誰が負担、実行するのか
When (実現時期・期限)
… 実現までにどのくらい時間がかかるか



ビジネス方針や政策の多くは費用と効果のトレードオフになるので、両者を比較して実行する価値がなければ説得力がありません。

費用に触れないと相手から現実性がないなどと指摘されやすいので気をつけましょう。細かい数字がわからないなら概算を書くだけでも論理的になります。

日本は民主主義国家ですから、政策を実現するためにはより多くの賛成票を集める必要があります。そのためには多くの人にとって政策の費用対効果が充分である必要があります。

また特定の決定権者がいる場合はその人の同意を取り付ける必要があります。

実行後も当初の目標を達成できたか、トラブルが起きなかったかなどを調査して、問題あれば原因を分析して改善するようにしましょう。

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【「事実資料」についての補足】

根拠」「メリット「実行方法」の正しさを証明するための前提が「事実資料」でした。

前のページの例を引用すると、メリットや根拠を説明しても相手は
 「1年間に61%の市民が犯罪被害にあってるって本当? そんな調査結果あるの?」
 「NY市が警官増員で犯罪率が低下したって本当? そんな記録あるの?」
というように疑ってきます。

妥当です。なぜなら主張の書き手が間違った思い込みをしていたり、自己の主張にとって都合のいいように情報を歪曲捏造する事があるからです。

そこでメリットの必要性や根拠の確かさを証明する「事実資料」を提示します。「事実資料」とは統計資料や検証データなどの証拠資料を指します。資料の数が多く、内容が具体的なほど強力な主張になります。

資料を探す方法を紹介

1.WEB検索エンジンを利用する。
調べたい内容と資料の種類で検索をかければ見つかるかもしれません。またGoogle検索で「site:go.jp」と入力し複合検索をかけると、日本政府機関の公的文書のみを検索対象にできます。

検索例、「神奈川県 犯罪率 統計」 「投票率 推移」 「自殺者数 2007年」 「平均所得 site:go.jp」など。

2.論文検索サービスを利用する。
Google Scholarはウェブ上の論文などの学術資料を対象とした検索サービス。
CiNiiは日本の論文を検索するサービス。

3.データベースサイトを利用する。
例えばこのサイトの厳選したリンクと書籍に社会情勢等の統計資料のデータベースサイトを掲載しています。

4.知りたい分野の本を読む。
Amazonで知りたい分野のキーワードで検索する。私の主観ではレビューの星が4つ以上か、 著者が修士だったり、その分野の研究者なら有益な情報が多い印象です。

5.Google ブック検索を利用する。
Google ブック検索は書籍の本文を検索したり、立ち読みできるサービスです。

資料を引用するさいは「引用開始場所」と「引用終了場所」が明確にわかるように載せましょう。

資料の8項目

また、資料の信憑性(信頼度)を高めるためには次の8つの情報を可能な限り示す必要があります。

1.出典(引用元の書籍、雑記、新聞、論文、サイト等の名前やURL、巻号)
2.引用記事のタイトル
3.引用部分のページ数
4.著者の名前
5.著者の肩書き
6.出版元の団体名
7.発行年

8.アクセスした日付

理由は以下です。

【出典・タイトル・ページ数】を示す理由
資料の捏造を防ぐために後から誰でも確認できる形が望ましいため。

【著者の名前・出版元の団体名】を示す2つの理由

理由1.情報の内容に疑いがあるときに著者や出版元に直接問い合わせるため。情報が誤りなら著者は責任をとって撤回・訂正しなければなりません。そうすれば誤った情報をもとに議論が進む事態を避けられます。著者が匿名だと問い合わせができません。

理由2.著者や出版元が信用に足る実績を持っているなら、資料も信憑性も高いと言えます。逆に捏造などの前科があれば資料の信憑性も低いと言えます。

また学者や出版社はたった一度でも捏造が発覚すれば信用を失い、追放されるリスクを負っているのでそれが信用の担保となります。匿名の著者はリスクを負っていませんし、前科も実績もわかりません。

【著者の肩書き】を示す理由
専門知識の乏しい素人は統計の分析や検証方法を誤る可能性があるため。逆に専門家なら情報の精度も高いと言えます。匿名の著者では専門家かどうかわかりません。

【発行年】を示す理由
すでに古くなっていて現在においては妥当でない資料があるためです。

【アクセスした日付】を示す理由
ウェブサイトの場合、引用した内容が後から書き換えられたり削除されると後で客観的に確認できなくなるためです。


以上が事実資料の信憑性を高めるポイントです。統計データのほかにも専門家の意見(主張)そのものを引用する方法もあります。その場合も上の8項目を示すのはもちろんのこと、納得のいく根拠が示されていなければなりません。

また引用したさいに中略を多用し過ぎたり、自分の言葉に書き換えたりして元の文意を曲げてしまった場合は捏造になりますので気をつけましょう。


資料の“孫引き”について

資料を引用するさい、資料のなかで紹介されている別の資料を間接的に引用することを「孫引き」と言います。

例えば、前ページの例文では「社会実情データ図録」というサイトのなかで引用されている「人間開発報告書2005」という資料を引用しています。

私は「社会実情データ図録」を信用して間接的に「人間開発報告書2005」を引用しているので、これは「孫引き」に当たります。(私は「人間開発報告書2005」を直接読んでいません)

このとき「人間開発報告書2005」を一次資料
「社会実情データ図録」を二次資料と言います。
(自分で調査・作成した資料が一次資料だという意見もあります)

競技ディベートでは、ニ次資料からの孫引きを隠して、一次資料を直接引用したように装うのはルール違反のようです。

理由は、二次資料の著者が信用の低い人物である場合、その一次資料が捏造であったり、もとの文意を曲げて編集されている可能性があるためです。

なので「孫引き」では一次資料とニ次資料の両方の信憑性が評価の対象になります。だから両方についての8項目を可能な限り示しましょう。

公式のディベート試合や学術論文では、どうしても手に入らない文献以外の「孫引き」は認められないか、非常に信憑性の低いものとして扱われるようです(二次資料の信憑性にもよる)。

遊びのネット議論ではそこまで気にする必要はないかもしれませんが、まあ知っていて損はないかと思います。


【まとめ】
・結論は明言する。
・根拠と事実資料の数が多くて、具体的なほど主張が強力になる。
・接続詞を使って結論と根拠の関係を明らかにする。
・資料の信用を高めるためには資料の8項目を示す必要がある。
・匿名の著者の資料は次の問題を抱えている。
 ・情報が疑わしくても問い合わせられない、その結果訂正や撤回が行われない。
 ・匿名著者は実績や前科が不明。
 ・匿名著者は捏造が発覚したときに信用を失うリスクを負っていない。
 ・匿名著者は専門知識をもっているかどうかが不明。
・情報は伝達過程で劣化します。「孫引き」に警戒心がない人は、自身が誤情報の発信源になる可能性があるので気をつけましょう。


その理屈で行くと全部そのまま俺の頭上にも降りかかってくる件・・・・・・

みんな!オラにちっとつ元気を分けてくれ!ツイート

関連外部リンク
全国教室ディベート連盟 証拠資料について
論理的な人になりたい 資料の引用に関して
論理的な人になりたい 証拠資料とは何か
資料 - Wikipedia



第1章 論理的な主張の仕方―サブメニュー

【考えを表現する能力】

【考えそのものを創る能力】


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